中国地方経済の強気

中国人の不安が生み落とした貿易黒字 - 紙の家の記録で書いたように中国の貿易黒字には減少傾向が見られる。
前回解説したように、中国の貿易黒字の原因は経済発展に取り残された地方にあった。
ならば貿易黒字の減少は地方経済に何かが起きている結果であると考えていたところ、以下の面白い記事を見つけた。
中国の有名な経済誌「財経」の記事を解説したものである。


梶ピエールの備忘録。
梶ピエールの備忘録。
梶ピエールの備忘録。


以上の梶氏の解説を読んでいただければ十分で、私ごとき浅学の身が付け加えるべき言葉は何もない。
ただ上を読んで先日の記事について若干補正したい。
現在の中国経済はバブルなのか? - 紙の家の記録で紹介したエコノミストの記事では、中国で不動産バブルが起きにくい根拠の一つに投資目的の住宅購入には40%もの頭金を払わないといけない厳しい規制を挙げていた。
だが今回リンクした記事のような粉飾が行われているのならば、バブルの危険はもう少し高く見積もる必要があるのかもしれない。


エコノミストでも、中国がバブル防止のために金融引き締めをするためには国際通貨制度を改革する必要があることを述べていた。(ドルペッグ制の下では自由に金融政策を行えないから。)
どうやら最近の議論の流れは通貨制度の改革の方へ流れているようだ。

中国の財政・金融のすばやい緩和策が全体としてみれば正しい反応であったことは疑いがない。しかし、それは中央政府がブレーキをかけることができないほどの地方の暴走を促しかねない、という副作用を伴ったものであり、それが今回の記事のような形で現れてきている、といえよう。
 さらに問題なのは、これまでのように為替の安定を図るための介入が外貨準備の持続的な拡大を通じて国内の過剰流動性をもたらす、という為替制度から生じる問題が資産バブルの懸念にさらに燃料を投下しかねないことだ。最近中国政府がが国際通貨制度の改革に積極的であるのも、このような危機感が背景にあると考えられる。