東京国立博物館「皇室の名宝」展1期

先週の話ではあるが、伊藤若冲の絵があると聞いて東京国立博物館の「皇室の名宝」展1期を見に行った。


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若冲の絵は面白い。とにかく圧倒的に面白い。
芸術を理解する感性に乏しい私でも、その娯楽的な愉快さならば理解できる。
若冲の絵は、多種多様な映像や絵画に晒され大抵の刺激に慣れた現代人の私さえをも驚かせる。
当時の人もさぞ驚いたことだろう。


鳳凰の絵や以前に別の展覧会で見たタイル画も良かったが、今回見た鶏や虫、魚介類が群れている絵も実に魅力的だった。
鶏や雀といった平凡な生物の絵が、どうしてあれほど劇的に見えるのだろうか。
緻密に描かれた写実的な描写。意外な静物との組み合わせ。数で圧倒する構図。
平凡な生き物が、まるで異形の存在のような妖しい迫力を持っている。
若冲の絵は妖怪や怪獣が大好きという私のガキっぽい感性にドシドシ入り込んでくる。


私の乏しい語彙と表現力ではこれ以上、若冲の絵の魅力を伝えるのは難しい。
むしろ言葉を重ねるほど、若冲の絵の魅力を削いでいるような気がする。


行った。


見た。


驚いた。


感想はこれで十分なのかもしれない。